2022/04/22 12:54
最近の液晶ディスプレイの中では「広色域」がトレンドになっています。
しかし、この「広色域」とは誤解を招きやすいキーワードでもあるのです。
液晶ディスプレイの色域について正しく理解して、
製品選びや日々の使用、調整に役立てて頂ければ幸いです。
〇色域とは?
色域とは、人間の目で認識可能な色の範囲(可視領域)の中で、
さらに特定の色の範囲を定めたもののことです。
自然界には色が無限に存在しますが、
デジタルカメラやスキャナ、ディスプレイ、プリンタなど、
カラーイメージング機器には、再現できる色の範囲はすべて異なるため、
それらを明らかにし、
さらには使用する機器間で色のすりあわせを行うために色域が決められています。
物の位置を座標と呼ぶ複数の数値を組み合わせて表すように、
色を複数の数値を組み合わせて表す方法で、カラースペースと呼ぶ場合もあります。
色域を分かりやすく表現(図示)する方法にはいくつかあります。
PC関連では、sRGB、Adobe RGB、NTSCの3つの規格がよく登場します。
各規格で定義された色域は、xy色度図上の三角形で示されます。
液晶ディスプレイに当てはめて考えると、大きな三角形を描く色域に対応した製品ほど、
画面上で再現できる色の範囲が広いということになります。
〇Adobe RGBとNTSC RGBはどこが違う?
・Adobe RGB
アドビシステムズ社が1998年に提唱したRGB空間の定義です。
色再現域をNTSC RGBと比較すると、
緑から赤にかけての一部色域が広くなっています。(上図参照)
デジタル一眼レフカメラは、
Adobe RGB相当の広い色域で撮影できるものがほとんどで、
アドビシステムズ社の代表的な
レタッチソフトウェアであるAdobe Photoshopでも
Adobe RGB色域で保存された画像データを正しく扱えます。
また、高品位のインクジェットプリンタでも
Adobe RGB色域相当でプリントができます。
上記の環境を整える場合、表示するモニターも、
それを活かすAdobe RGB相当の広色域のものが必要となります。
Adobe RGB対応のモニターを使えば、
Adobe RGBモードで撮影した画像データをモニター上で正しい色域で表示でき、
さらに補正を行う際にもその精度が高められるというメリットがあります。
Adobe RGBは、印刷分野の標準色の一つであるJMPAカラー (雑誌広告基準カラー) 、
Japan Colorの色域をカバーしているので、プリプレス市場においては、
Adobe RGBの色を表現できるモニターがあれば、
モニター上で色の校正を行うソフトプルーフの精度が一層高まるといえます。
例えばAdobe RGBカバー率98%であれば、
Adobe RGBの色域の範囲内にある98%の色をディスプレイで表現できます。
・NTSC RGB
NTSC RGBは国際電気標準会議(IEC)が定めた
国際標準規格のRGB空間の定義です。
Windows環境の基準となっている色空間であり、
WebサイトもsRGBに準拠して作られています。
NTSC RGBは、一般的なプリンタやカメラで違和感なく再現できる色域のため、
汎用性が高いというメリットがあります。
また、SNSなどWeb上に写真やイラストを公開する際にAdobe RGBなどの広色域で運用すると、
表示環境によっては再現できない色が置きかえられたり、
色域が圧縮されたり、意図した色で見てもらえない場合があります。
また、撮影した写真をネットや写真プリント店でプリントする場合、
広色域データは正しく印刷できない場合がありますので
(一部の高品位プリントサービスを除く)、
sRGB色域で運用したほうが仕上がりとのイメージの差は小さくなります。
sRGB色域は、だれにでも同じイメージで伝えられるというメリットがあります。
いかがでしたか?
本日はディスプレイの色域について解説いたしました。
ぜひ今後の検討する際の参考にしてみてください。
〇Santekのモバイルモニター(13.3/15.8)は色域:NTSC72%/Adobe RGB color 100%となっています。
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13.3インチモバイルモニター¥21,980 (税込)
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